プリンセス☆ロード
彼女をこんな目にあわせたのは自分たちだ。
この世界の事に巻き込み、無理やりに救いの姫と讃えて。
彼女は嫌がっていたのに。
危険があることも、わかっていた。
初めは、自分たちの国のために。
それでも、いつの間にか紗南といることで紗南という一人の人間に触れ、人柄に触れ、いつしか自分たちのためにそばにいてほしいと願った。
いつか元の世界に戻るであろう紗南を、いつまでもこの世界に引き込んでいてはいけないはずの紗南を。
その結果がこれだ。
どうしてだろう。
こんなにも胸が痛い。
泣き出したい気持ちを誰もが押し殺していた。