プリンセス☆ロード
「僕たちにも、どういうわけかわかりません。それが紗南さんの力なのか、そのペンダントの力なのか…。王様と連絡を取り合いましたが、そのペンダントに関する記述は残っていないとの事でした」
「それじゃあ、解決策はないっていうこと?」
「はい…。でも、ちゃんと調べますから」
不安でいっぱいだ。
もしかしたら、また私はみんなを傷つけてしまうかもしれない。
また同じように、誰かが私のせいで傷つくかもしれない。
そんなの、もう耐えられない。
セリムが言っていたことが現実になった今、私は考えないといけないのかもしれない。
これからの、私の生き方を。
このままみんなについて行くのか。
それとも、城に戻るのか。
元の世界に戻る道は…。
どうしてか、今は考えられなかった。
このままじゃあ、自分の世界に帰ります、なんてとても無責任に思えた。
大好きになってきている皆を、辛いからって見捨てるなんて…できない。
この人たちは、私を救世主だと信じてくれているんだから。
「…ありがとう。みんなが無事でよかった」
「紗南ちゃん…。俺たち、こんな傷なんともないから!本当に、平気だからね!」
「そうだぜ?だから、気にしたり、変なこと考えないでくれ…」
ミナトとリュウが不安そうに言った。
優しいね。
でも、大丈夫。
皆の優しさを無駄になんかしない。