プリンセス☆ロード
「たとえ、それが王様の命令だからでも、私にこの国を救う力があると何の確証もない言い伝えがあるからでも…」
「…ねぇ、本当に思ってる?あいつらが君を国のため王のため側においていると」
セリムの問いに、私は微笑みながら首を横に振った。
「みんなの優しさは、作り物じゃない。伝わってくるから。だから、私も応えたいって思うんです」
みんなの優しさに。
みんなの思いに。
応えたい。
できることなら、本当に力があるのなら。
もし、力がないとしても、できることをしたい。
「みんなの力になりたいんです」
どうか。
私の力なんて、本当は些細なもの。
この国を救うほどの力なんて、きっとない。
だからって、諦めたくない。
みんなの期待に少しでも、応えたい。
私、頑張ったよって、皆に胸を張って言いたい。
みんなに、頑張ったねって言ってもらいたい。
「…あいつらが、羨ましいよ。君にそんな風に思ってもらうなんて」
「え…?」
「私には、なにもないから」
セリムが寂しそうに呟いた。