プリンセス☆ロード
次の日、午前中私はレンのもとを訪れていた。
レンはいまだに体を起こすこともできず寝たきりだ。
セリムが言っていたけど、かなり深い傷でその傷がなかなか塞がらないのだという。
「…別に来なくてもいいんだ」
「なに言ってるのよ」
ベッドの側に座った私をちらりと見るとすぐに顔をそらしてそんなことを言うレン。
本当に、素直じゃないんだから。
「本当は心細いくせに」
「誰がだ」
「レンがよ」
「…ちっ」
レンはそのまま黙り込んだ。
なんて、心細いのは、私の方かもしれない。
レンの憎まれ口が聞けなくて、寂しいと思ってるのは、私の方かも。
思えば、いつもレンが側にいて私を守ってくれていた。
悪魔が襲ってきた時も、悪魔に向かうのは他のみんなで、レンはいつも私の側で私を守ろうとしてくれてた。
私が浚われた時も、レンが一番に助けに来てくれた。
今回も、私を身体を張って助けてくれた。
「ありがとう」
「…なにが」
「守ってくれて、ありがとう」
「別に、仕事だからだ」
それでもいいよ。
仕事熱心ってことにしておくよ。
それでも、私はありがとうって言いたい。
こんな私を守ってくれてありがとう。