プリンセス☆ロード
「手当を」
「平気です。私、これくらい」
「ダメだよ。よかった、救急道具持ってきていて」
セリムが掌に薬を塗って包帯を巻いてくれる。
「ごめん、私のせいだね」
「え?なんでですか?そんなことないです」
「うまくイメージできなかったんだろう?」
「あ…はい…」
剣って、実際もったことなんてないからよくわからない。
なんとなくのイメージはできるけど、それではだめみたいだ。
「ちょっと待って、女の子用の剣はさすがにないけど、女の子でも持てそうな剣を探してみるよ」
「ありがとうございます」
「実物を見れば、イメージもしやすいだろうからね」
セリムはそう言うと奥の倉庫のような場所に入っていく。
どうしてこんなにもよくしてくれるんだろう。
忙しい合間を縫って私のために時間を割いてくれる。
本当に、いい人だ。
「これなんてどうかな?」
セリムが持ってきてくれたのは、レンたちが持っているものより短めの剣。
持ち手のところにガラスで装飾がされている。