プリンセス☆ロード
「誰だって、いくら悪魔と言えど誰かを傷つけることを喜んでしている人なんていない。…いくらやっていることが間違っていると非難していても…父を手にかける覚悟が最初からあったわけでもない。…最後まであったのかもわからない」
「…セリム」
「あったのは、ただ我武者羅な心だけ。必死で、唇噛みしめて、ただ、ただ、すべてを変えてしまいたいという一心」
覚悟なんて、そう簡単にできることではない。
我武者羅に。
無我夢中に。
そうして、できていくものなのかもしれない。
私は。
「みんなの側にいたい、一心で」
「羨ましいよ、そんな風に思ってもらえる彼らが」
「そんなことないです。それに、セリムだって私は大切な友達だって思ってます。友だち、だなんて王様におこがましいけど」
「ありがとう。嬉しいよ」
そう言ったセリムは少し寂しげで。
どこか影を帯びていた。
「さあ、もう一度」
「はい!」
そのあとも何度も何度も繰り返し練習したけど、結局うまく形にならないまま終わってしまった。