プリンセス☆ロード
「紗南ちゃん!?」
私の声が聞こえたのか、駆けつけてきてくれたのはミナトたち。
私たちの状況を目の当たりにして戸惑った後、レンの背中の血を見て慌てて駆け寄ってくる。
「どうしよう…。レンが…」
「大丈夫です。少し傷口が開いているだけですから」
ソウシが私を安心させるように言うとレンをリュウと一緒に担いで部屋に運ぶ。
そのあとはテキパキと医療班を連れてきてくれ手当を施した。
全てが無事に終わり、少し一息ついたレンの部屋。
レンは静かに眠っている。
「…レンが、変だったの。どこにも行くなって…。何か、あったのかな…?」
「レンが、そんな事言ったんですか?」
「うん…。私の事、初めてくらいに紗南って名前呼んだの」
そんなこと、今までなかったのに。
嬉しかったけど、今思えば、何かあったのかな。
「レン…怪我して少しナイーブになってるのかな?」
それとも…誰かと私を、間違えた?
そんなことをふと思うと、ちくりと胸が痛んだ。