プリンセス☆ロード
「…どうしても、彼らと行ってしまう?」
「え?」
「ここに、残るという選択肢はないのかな?」
セリムの切ない声が響く。
「彼らが羨ましくて仕方がない。これは、何という気持ちなんだろうね。初めてだ、こんな気持ちは」
「セリム?」
「君が、彼らのために頑張れば頑張るほど、胸が締め付けられる」
セリムの手が伸びる。
その手は私の頬をとらえた。
ビクッと肩を震わせる。
「なにに対しても、誰に対しても、興味なんてわいたことなんてなかった。父への罪悪感から、王様への罪悪感から必死にここまで来たけど、世の中のことすらどうでもよかった」
「……」
「心を動かされる者なんてなかったし、動かされるものかとも思ってた」
それは、どれほど悲しいことなのか。
何事にも、楽しいと思えない、悲しいとも思えない。
感情が、消えていく。
「でも、なんだろう、この孤独感は。私だけ、おいてけぼりな感じだ」
「そんなことは…」
「彼らは君のために、君は彼らのためにと頑張るだろう?そこに私はいない」
自分の居場所は?