プリンセス☆ロード
「…ねぇ、ソウシ」
夕食後、それぞれ部屋に戻っていくみんなの中でソウシを呼び止める。
ソウシは微笑みながら私の言葉を待つ。
「あの、聞きたいことがあるの…」
「なんでしょう?」
怖い。
でも、知りたい…。
このままモヤモヤしてるなんて、嫌だ。
でも、セリムにはなんだか聞きにくくて。
「あの…、レンってね…あの、好きな子というか…付き合ってる人っているのかな?」
「え?」
「いや、その…。ほら、私あまり女の子と会わないし、そんな話とかしないから…」
「紗南さんは、レンの事が好きなんですね」
ソウシはにっこりとそう言う。
「ええっ!?いや、そう言うわけじゃなくて…あのね」
「すいません。…ですが、私もよく知らないんですよ。レンは自分のことをあまり話したがらないので。ですが、紗南さんの事を特別に思っているのは確かだと思いますよ」
「…そんなこと、ないよ」
ソウシも知らないんだ。
私の事を特別に…。
私もそれを期待してた。
でも、違ったんだよ。
レンには、私にみせない顔をみせれる相手がいたんだよ。