プリンセス☆ロード
「紗南さん?」
レンの部屋を飛び出した私の前に現れたのは、他の騎士のみんな。
いつの間にか泣いていた私に驚いている。
「ど、どうしたの!?レンに泣かされたの?」
「違うの…。ごめんね、大丈夫だから」
「おいおい。泣くほどの事があったんだろ?気を使わず話してみな?」
「…っ」
ミナトやリュウに優しく諭され、私は泣きじゃくりながらゆっくり話した。
間違って部屋に入ったこと、そこが女の子の部屋のようで、そこで見た写真の事。
写真には今より若いレンとドレスを着たかわいらしい女の人が写っていたこと。
その写真のレンは、私に見せたことのない笑顔をしていたこと。
たどたどしく、言葉を繋いでいく私の話をみんなは静かに聞いてくれた。
「…先ほどあんな質問したのはそういうことがあったからだったんですね」
「うん…」
ソウシが納得したように言う。
「…でも、レンのそんな浮ついた話なんか聞いたことないよ?」
「それに、その写真のレンってもっと若かったんだろ?じゃあ、今はもう関係が終わってるってこともあるんじゃねぇの?」
そうかもしれない。
でも、レンはその話をはぐらかしたの。
聞いてほしくなさそうだった。
もし別れたんだとしても、まだその傷は癒えていないのかもしれない。