プリンセス☆ロード





「ですが、本人に聞いたところで答えてはくれないでしょうね」

「まぁ、そうだろうな」

「それにこの城の姫…ですか」






ソウシが考え込む。







「我々一番隊が結成されたのは今から3年ほど前になるんです。それまでは、外交は王とその側近だけがついて行っていたんです。我々が結成されてからは我々も王の護衛のため付き添い各国の王族とは交流もありますが…」

「ああ。俺たちが結成されてから、この城にはたまに護衛でついてきていたが、姫君らしき人に会ったことはないな。王族と言えばセリムさまぐらいだ」

「…そうなの?」

「まぁ、うちの王子と同じで姿を隠しているっていうことも考えられるけどな」





ソウシの話に補足するようにリュウが話す。
でも、皆この城のお姫様には会ったことがないという。
本当に存在するのか?
でも、それならあの写真は…?







「…姫は存在するよ」







突如声がして振り向くとそこにはセリムの姿。
悲しい笑みを浮かべながら…。







「…正確に言えば、存在していた、かな…」







それはとても、悲しい響きだった。










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