プリンセス☆ロード
story4 逃避
第16話 『まぁ、君がどうしたいか、だけどね』
私たちはセリムの案内で、私が間違えて入った部屋に連れてこられた。
ピンクを基調とした女の子らしい部屋。
ベッドわきにはぬいぐるみ。
棚の写真立てを手に取りセリムは小さく微笑んだ。
「…その写真の女性がお姫様?」
「ああ…。ユリアというんだ」
愛おしそうな瞳で名を呼ぶ。
お姫様、ということはセリムの姉妹なのだろう。
「私の妹だ」
目元が何となくセリムに似ていた。
綺麗に整った顔。
上品さが漂う笑顔。
「でも、もうユリアはいない」
「え…?」
「ユリアは、死んだ」
セリムの声が切なく響く。