プリンセス☆ロード
それは、今から4年ほど前。
ユリア18歳、レンが15歳のころ。
各国を回り修行をしていたレンがエリシアを訪ねた。
そこで二人は出会った。
「ユリア、彼はレン。歳も近いしいい話し相手になるだろう?」
「初めまして、姫。しばらくの間世話になります」
「初めまして。嬉しいわ。私、ずっと城にこもりきりでつまらなかったの」
身体の弱かったユリアは、いつも部屋に籠りきりでいつも一人だった。
寂しそうにしているユリアにセリムはどうにか話し相手を探していた。
そこに修行にやってきたレンは格好の話し相手だった。
修行の合間にレンはユリアの部屋を訪ねるようになり、二人は自然と仲よくなっていった。
それが、恋愛感情に変わっていくのは、必然だったのかもしれない。
「お兄様、私レンが好き」
いつしか、兄であるセリムにもそう公言するまでになっていた。
セリムは暗かったユリアに笑顔が戻り、それだけで満足で、二人の関係を止める理由もなかった。
「いつか、レンと世界を回りたいの」
「ユリアの夢かい?」
「ええ。だから、早く体強くしなくちゃ」
どんどん前向きに変わっていくユリア。
そんなユリアを見てセリムも幸せだった。