プリンセス☆ロード






しかし、幸せな二人の関係も長くは続かなかった。







セリムが忙しく、城をあけることが増え、レンもルネス王国へ戻らなくてはいけなくなりなかなか側にいることが出来なくなった。
その、手薄になっていた城を悪魔が見逃さなかった。







警備の隙をつき、ユリアの部屋の窓から侵入した悪魔は、ユリアを脅した。









―レンの命を奪え









と…。
ユリアがレンを殺せば、双方の国の間に亀裂が入ることは確かだった。
ルネス王からすれば、恩を仇で返すということになる。
悪魔がそれを意図していたかどうかはわからないが。








もちろん、ユリアはそれを拒んだ。
そんなこと、できるわけがない。







「愛する人を、殺すなんて…できないわ!」








それでも、悪魔はひかなかった。






「もしそれが出来なければ、この国を悪魔が襲うことになる」

「そんな!」

「どうする?やるか?やらないのか?」










辛い選択を迫られた。






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