プリンセス☆ロード
「レンに、会いたいの」
伝書鳩を飛ばし、レンと会う約束を取り付けた。
手には果物ナイフ。
きっと、レンに会うのはこれっきりになるだろう。
きっと、レンは私のすることに怒り、私の事を嫌いになるだろう。
それが、一番つらいこと…。
ユリアは溢れくる涙を抑え、レンとの待ち合わせの場所に向かう。
足取りは重い。
最後の別れになるかもしれない、レンと別れたくなんてない。
愛してる。
こんなにも。
「レン」
名を呼べば、いつだって笑いかけてくれた。
手を伸ばせばそこにいてくれた。
そんな彼に、私は……。
どうか、最後までばれないで。