プリンセス☆ロード
「外で会おうなんて、珍しいな」
「ええ」
「一国の姫がいいのか?出歩いて」
待ち合わせ場所に先についていたレンは、相変わらず優しく心配してくれる。
ああ、私の大好きな笑顔。
ああ、私の大好きな匂い。
「…もう、別れましょう。私たち」
「…は?」
「もう、飽きたの。あなたに」
「なに言って…?」
心を鬼にするのよ。
レンの心に未練の一粒も残らないように。
嫌な女で、終わるの。
「遊び相手になってくれたのは感謝するけど、なんか勘違いしてるみたいだし?」
「勘違い?」
「私が言った大好きって言葉、鵜呑みにしちゃって笑えるったらないわ」
みるみるレンの表情が険しくなる。
ああ、最後に見る表情は笑顔がよかった。
唇を噛みしめ、懐に隠しておいたナイフを取り出しレンの横っ腹に刺した。
「もう、あんたいらないから」
そう冷たい言葉を残して。