プリンセス☆ロード
「はい。約束よ」
レンの血の付いたナイフを悪魔に手渡す。
悪魔はそれを受け取るが、眉を寄せ睨みつける。
「馬鹿野郎。こんなものでごまかせると思ったか?首を持って来い!」
「無理よ。女の力でそんなことできるわけないでしょ」
それで、突き通せるなんて思っていなかった。
きっと、その嘘は簡単にばれることも。
それで自分が殺されるであろうことも、ユリアは覚悟の上だった。
愛する人を殺すくらいなら。
「私はどうなってもいい。でも、兄にも国にも手を出さないで」
そんな口約束が通るかなんてわからない。
それでも、こうするしか守る道はなかった。
愛する人を殺すくらいなら。
自分が死ぬ方がいい。