プリンセス☆ロード
第17話 『だって、私、仲間でしょう?』
「お世話になりました!」
深々と頭を下げる。
あの日からひと月後、私たちは再び旅を再開することになった。
レンもすっかり回復し憎まれ口も絶好調。
以前よりは少し丸くなった気がするレンも、今回ばかりはセリムに頭を下げていた。
「世話になった。感謝している」
「珍しいね。レンが礼を言うなんて」
「礼くらい言う」
二人の中の確執は、傍から見れば感じられない。
でも、きっとセリムの中にもレンの中にも消しきれない苦しみ悲しみがあるだろう。
レンの中には、今でもユリアさんが生きているんだろう。
レンが、愛した人。
「気を付けて。私も、ここで悪魔についての情報を集めてみるよ。君たちの役に立てるかわからないが」
「ありがとうございます。そのお言葉だけで十分です」
何にも興味がわかなかったと言っていたセリムからの協力の言葉にみんなが嬉しく思った。
「くれぐれも、無茶はしないように。…紗南。君に出会えてよかった。また、立ち寄ってくれる日を心待ちにしているよ」
「セリム…。はい!絶対また会いに来ます!ありがとう!」
初めて名前を呼んでくれた。
セリム。
私も、あなたに出会えてよかったよ。
私に力をくれた。
私を支えてくれた。
そんなセリムを大切に思う。