プリンセス☆ロード
「紗南…、俺も紗南にはそんなことしてほしくねぇな」
「リュウ…どうして…」
「さっきレンも言ってただろう?悪魔とはいえ命を奪うってことだ、罪悪感を感じないことはない。俺たちだって心の中で葛藤してそれなりの覚悟を決めて国を守るために剣を振るってる」
「それは、わかってる」
「そんな俺たちだからこそ、紗南にはそんな思いさせたくねぇんだよ。一匹倒しただけで、そんなに震えてるじゃないか」
リュウがそっと私の手を取る。
暖かい手が私を包む。
「俺たちが戦ってる中、なにもできないのが心苦しいって思ってくれてるのは嬉しい。その気持ちだけで十分だ。俺たちは、紗南が安全な場所で、俺たちを信じて待っていてくれていることが一番の願いだ」
「でも…」
「それに、紗南さんは何もできなくないですよ。守る相手がいるということは我々の勇気になります。絶対に勝たなければならないのだという覚悟ができますから」
「ソウシ…」
「俺、紗南ちゃんが危ない目に合うことの方が辛い。俺たちが戻る場所、ちゃんと作っといてよ」
「ミナト…うん…。ありがとう…」
どうしてそんなにも優しいんだろう。
「でも、どうしても助けたいときは私も戦う!」
「紗南…」
「だって、私、仲間でしょう?」
姫としてじゃない。
仲間として側にいたいの。