プリンセス☆ロード




「私、レンにもちゃんと話してくる」

「はい。冷静に、ですよ?」

「わかってる!」





いつも売り言葉に買い言葉で言い合いになってしまうから。
ちゃんと私の気持ちを伝えて、譲れるところは譲ろう。





私はレンが向かった方向へ走り出した。
辺りを見渡しながら走るとレンの姿を崖の側に見つけた。







「レン!」






名前を呼んで駆け寄るとレンは表情を変えないまま振り向いた。







「レン…。さっきは、ごめん。でも、私レンの役に立ちたかったの。姫としてではなく、仲間として側にいたかったの」

「…お前が姫であることは事実だろう」

「それは、…なんていうか、気分の問題で」

「お前は今まで通り隠れておけばいい」








頑なに譲らないレン。
レンの気持ちだってわかる。
リュウに言われて、よくわかった。








「わかってる。でも、皆が危険な時は助けに行きたい。皆が危険な目にあいそうなのに黙ってみてるなんてできないよ」

「お前に何ができる。お前が出てきたところでその危険が回避されるのか」

「それは…。でも、さっきは、うまくいったわ」

「さっきはたまたま運が良かっただけだ。中途半端に飛び出して余計に手間をかけるだけだ」







どうしてそんなことを言うの?
きっと、レンの言い分は正しい。
それでも、私の何か役に立ちたいっていうこの気持ちはどうなるの?








< 248 / 469 >

この作品をシェア

pagetop