プリンセス☆ロード
「私、レンにもちゃんと話してくる」
「はい。冷静に、ですよ?」
「わかってる!」
いつも売り言葉に買い言葉で言い合いになってしまうから。
ちゃんと私の気持ちを伝えて、譲れるところは譲ろう。
私はレンが向かった方向へ走り出した。
辺りを見渡しながら走るとレンの姿を崖の側に見つけた。
「レン!」
名前を呼んで駆け寄るとレンは表情を変えないまま振り向いた。
「レン…。さっきは、ごめん。でも、私レンの役に立ちたかったの。姫としてではなく、仲間として側にいたかったの」
「…お前が姫であることは事実だろう」
「それは、…なんていうか、気分の問題で」
「お前は今まで通り隠れておけばいい」
頑なに譲らないレン。
レンの気持ちだってわかる。
リュウに言われて、よくわかった。
「わかってる。でも、皆が危険な時は助けに行きたい。皆が危険な目にあいそうなのに黙ってみてるなんてできないよ」
「お前に何ができる。お前が出てきたところでその危険が回避されるのか」
「それは…。でも、さっきは、うまくいったわ」
「さっきはたまたま運が良かっただけだ。中途半端に飛び出して余計に手間をかけるだけだ」
どうしてそんなことを言うの?
きっと、レンの言い分は正しい。
それでも、私の何か役に立ちたいっていうこの気持ちはどうなるの?