プリンセス☆ロード
「それができないなら城に戻れ」
「…!どうして?」
切り捨てるように言われた言葉に傷つく。
「うそつき!どこにも行くなって言ったのレンなのに!」
「…俺がいつそんなことを言った」
ウソ……。
覚えていないの?
「なにそれ…。やっぱ、あれ、私に対してじゃなかったんだ」
「なにがだ」
「私をユリアさんだと思ったの!?ユリアさんに重ねて、どこにも行くなって言ったの!?」
苦しい。
そうかもしれないと薄々感じてた。
でも、面と向かって言われると傷つくよ。
わかってる。
レンとユリアさんの絆がどれほど深いか。
私なんかが入る隙間なんてないだろうことは。
「セリムに聞いたのか?」
レンの表情が険しくなる。
私は、静かにうなずいた。
「…私には、笑顔なんて見せてくれないくせに!」
そんなの、レンを責めたって仕方がないのに。
八つ当たりだ。