プリンセス☆ロード
私はいたたまれなくなって走り出した。
これ以上レンといたら余計なこと言ってしまう。
喧嘩なんてしたくないのに。
そんなこと、しに来たわけじゃないのに。
「おいっ‼︎」
レンの声が聞こえた。
でも、立ち止まることなく走る。
だから私は気づかなかった。
来た方向とは別の方に走り出してしまったこと、その先には崖があること。
「きゃっ‼︎」
叫び声をあげ、視界が回転するのを感じた。
いつかと同じ感覚……。
助けてっ‼︎‼︎
その願いも虚しく体は回転しながら落下して行く。
「紗南ー‼︎」
レンの声が聞こえた気がした…。