プリンセス☆ロード
「それから、浩太…」
「ごめん。紗南、この前の話忘れてくれ」
「え…?」
浩太にあの返事をしようと思った矢先浩太にそう言われ戸惑う。
忘れるって…?
「あんな風に、紗南を追い詰めるつもりなかったんだ。紗南が崖から落ちたのは俺のせいだ」
「そんなことない!あれは、私が」
「いや、そうなんだ。紗南の話を聞いて、紗南が求めてるのは紗南を守ってくれる人なんだろ?だから、今の俺じゃダメだって思った。だから…」
「浩太…」
「でも、俺諦めたわけじゃないから。もっとふさわしい男になるってこと」
すがすがしい顔でそう言い切る。
ありがとう。
「それじゃあ、帰るか」
外は太陽が傾き夕日が教室を照らす。
赤々とした夕日がまぶしい。
帰ってこれてよかった。
私はそう自分に言い聞かせて鞄を持った。