プリンセス☆ロード





職員室に寄ったりいろいろしていたら結局遅くなってしまった。
帰り道、途中で繁華街の近くを通るから結構ガラの悪い人たちも多い。




私たちは足早にそこを通り過ぎようと歩いていた。
だから、少し多くなった人どおりに足を取られてしまう。




「うわっ」

「きゃっ」





人を慌ててよけたところにいた人にぶつかってしまった。
しかもその人は片手にコーヒーを持っていてそのコーヒーが私にも、そしてその人の手にかかってしまった。





「あっちーな!」






そのコーヒーはホットだったみたいで、その人はひどく熱がっている。
私の腕にかかったコーヒーからもジンジンと熱さが広がっていく。






「すいません!」





慌てて鞄からハンカチを取り出しその人の手を拭こうとする。
しかし、その手をがしっと掴まれた。





「えっ」

「どうしてくれんの?やけど、したんだけど」

「あ、あの…ごめんなさい…」

「謝ってすむと思ってんの?」






男の人が私を睨みつけるとぎりぎりと私の手を掴む手に力を込めた。





「いたっ…」

「ちょっと、謝ってるじゃないですか!やめてください!」

「ああ?お前は黙ってろよ」





私をかばおうと間に入ろうとしてくれた浩太だったけど、男に突き飛ばされてしまう。





「あ―あ、こいつ怒らせて、しらねぇよ?こいつ俺らん中で一番気がみじけぇんだから」





一緒にいた男たちがおかしそうにケラケラと笑う。





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