プリンセス☆ロード
「やめてください!弁償しますから」
「弁償?そんなんじゃあ気がすまねぇな」
「そんな…」
どうしよう…。
あの世界で出会った悪魔に比べたらこんな人全然怖くなんてない。
でも…。
私はちらりと美由紀を見た。
美由紀は怯えて今にも泣きそうな顔で私を見ていた。
美由紀は守らなくちゃ。
でも、相手は男でそれも多勢だ。
私一人じゃ…。
そんなことを考えてふと思う。
やっぱり、私は守られるお姫さまなんて向いてない。
「美由紀、私の事はいいから帰って?浩太も」
「な、なに言ってるのよ!紗南!」
「こいつにぶつかったのは私なんだから、巻き込みたくないの」
「ふざけるなよ!お前を見捨てていけるわけないだろ!」
私の提案に首を横に振る二人。
「おいおい、勝手に話し進めてんじゃねぇよ。なに正義ぶってんの?ぶつかってきたのはおまえだろ?」
「わかってます。だから、やけどの治療費だって払うって言ってるじゃないですか」
そんなことで、引く相手じゃないことはわかってた。
でも、それで引いてくれるならそれに越したことはない。