プリンセス☆ロード




「あ―こいつむかつく。一発ぶん殴ってもいいよな?」

「ほどほどにしとけよー。一応、女みたいだしな」





ケラケラ笑う笑い声が耳障りだ。
悔しい。

掴まれた腕を振り払うこともできない。
振り払えさえすれば、どうにか…。








なる?








レンに、剣の筋を否定された。
私の剣に、人を守る力はある?










それに相手は人間だ。
手加減なんて、できる?








一度わいてきた不安は次々と渦になって湧き上がってくる。








「じゃ、いきまーす」







「やめろ!!!」






男の冷淡な声と、男の仲間に取り押さえられながら悲痛な声を上げる浩太と、美由紀。









ああ、こんな時いつもならレンが助けてくれる。
いつだって、側にいて、私が危険な時には駆けつけてくれて。






そんな彼は、ここにはいないの……。






< 264 / 469 >

この作品をシェア

pagetop