プリンセス☆ロード
目の前にいるのは、紛れもなくレンだ。
この世界には似つかわしくない騎士の姿。
「なにジロジロ見ている」
レンを見ていた浩太に向けられたいつもの口の悪い言い方。
全てが、私の知っているレンだ。
「な、な、な、なんで!」
さっきから、なんで、としか言えていない。
だって、全く理解できない。
だって、だって、だって!
そうこうしていると、辺りが騒がしくなった。
この騒ぎを聞きつけた警察がこちらに走ってくるのが見えた。
ここにいたら面倒なことになる。
私はとっさに逃げることを思いつき、レンの手を掴むと走り出した。
「浩太!美由紀!行こう!」
私が呼びかけるとハッとしたように走り出す二人。
私たちはひたすらに走った。
頭の中は、混乱して動揺したまま……。