プリンセス☆ロード
第19話 『…俺は、誰も好きになることはない』
公園まで逃げてきた私たち。
息を切らせ、肩で息をする。
「おい、紗南、この人誰?知り合いなのか?」
「あっという間にあの男の人たちを倒しちゃったよね…」
浩太と美由紀が口々に尋ねる。
でも、私にだって聞きたいことは山ほどあるんだ。
「なんでレンがここにいるの?」
「…知らん」
「知らんって…。いつから?」
「お前が崖から落ちた時、慌てて追って飛び降りた。急に光に包まれたお前の腕を慌てて掴んだら、気づいたらここに来ていた」
ウソ…。
あの時、レンも一緒にこっちに来ていたってこと?
「じゃあ、今までどこにいたの?」
「…身をひそめてお前を追ってた」
「私を?」
「ああ」
身をひそめてって…。
そんな目立つ格好で…?
「…私が連れてきちゃったんだね…」
どうしよう…。
私はいいけど、レンは元の世界に帰りたいはず。
だって、この状況私が初めてレンの世界に行ったときの私みたい。
レンにとっては、見るものすべてが初めてのもので、心細いはず。
心細い…レンが…?
なんだか、ピンとこないけど、帰りたいはず。