プリンセス☆ロード
「それにしても、お前が異世界から来たと、いまだに半信半疑だったが、こうして目の当たりにするとさすがに動揺するな」
「…信じてなかったの?」
「信じてなかったわけじゃないが、どのような場所なのか、見当がつかなかっただけだ」
それもそうだ。
目で見えて初めて実感する。
「…あ、助けてくれてありがとう」
「…ああ。あんなただの人間になにてこずってるんだ」
「だって…」
「戦うと決めたんだろう。迷うな」
「レン…」
なによそれ。
あんなに否定してたのに。
私が戦うことを、あんなに嫌がってたくせに。
「…お前はもう、戦う必要はないのかもしれんがな」
「え…?」
「ここがお前の世界で、お前の居場所なんだろ?あんなに帰りたいと泣いていたじゃないか」
「泣いてなんて…」
「よかったな」
レンにそう言われ、胸が痛んだ。
どうして?
よかったはず。
そうだよ。
レンが言うように私の居場所に戻れたんだから。
「…レンが帰る方法はちゃんと考えるから。…とりあえず、うちに帰ろう」
「…ああ」
「二人ともごめんね、いろいろ怖いことに巻き込んで。またちゃんと話すから、気を付けて帰ってね」
「え、おい。紗南!」
二人にそう言うと私はレンを連れて家に向かう。
よかった。
そう言われて、ウンとも、ううん、とも言えなかった。
私の気持ちがわからない。