プリンセス☆ロード
家に帰る途中、お店によってレンの服を買う。
今までお年玉とかで貯めていたお金をおろして購入した。
そこの更衣室を借りてレンに着替えてもらって違和感はなくなった。
すごく目立って、行くところ行くところで注目の的だったからホッとする。
「妙な服だな」
「私の世界の洋服なの」
「そうか。…ここには不思議なものがたくさんある」
レンが目新しそうにあたりを見渡す。
私が向こうで感じていたことを、今はレンが感じてる。
「外を走っていたあの箱はなんだ」
「箱…?ああ、車のこと?あれで移動できるの。向こうでいう馬の代わりかな」
「あれに乗るのか?」
怪訝そうに眉をひそめる。
なんだか新しい反応だ。
「…悪魔は、いないんだな」
「うん…。そうだね」
「いい世界、なんだろうな」
レンが、呟く。
いい世界。
そう感じてくれたんだろうか。
「…でもレンは帰りたいでしょう?」
「お前の居場所がここなように、俺の居場所は向こうだからな」
当たり前のことだ。
だから私だって帰りたいと思ってたんだから。
それでも、どうしてこんなに寂しいんだろう。