プリンセス☆ロード
怒られる覚悟で家に連れて帰り、お母さんとお父さんに事情を話し少しの間家においてもらえるように交渉した。
事情というのは、レンの家が火事になって住む場所がなくなってしまっていくところがないから、とレンと口裏を合わせた。
二人とも少し戸惑いを見せたけど、そういうことなら困ったときはお互い様だとレンを歓迎してくれた。
騙しているみたいで少し心苦しいけど、困っているのは確かだもんね。
レンを私の部屋に招き入れる。
男の人を自分の部屋に入れるなんて初めて。
だから少し緊張する。
「適当に座って」
「…紗南の匂いがする」
レンが部屋に入って一言そう呟く。
思いもよらないレンの発言に顔が熱くなる。
「な、なに言ってるのよ!」
動揺してしどろもどろ。
しかも、紗南、なんて滅多に呼ばないくせに。
「本当に、ここがお前の居場所なんだな」
「レン…?」
「…崖から落ちる前に話していたことを覚えてるか?」
「……ユリアさんのこと?」
「ああ」