プリンセス☆ロード
「ユリアは、自分の居場所を求めてた。ずっと城に籠りきりで、自分の居場所を探していた」
「…」
「ユリアは俺と出会って、居場所を見つけられたのかはわからない。結局、俺のせいで死なせてしまったのだから」
「レン…」
「紗南、お前には居場所がある。こんな、平和で大切なものたちがいる場所が。それを、大切にしてほしい」
私には、いたいと思う居場所があるのだから。
ねぇ、レン。
それは私にこのままここに残れと言っているの?
確かに、私だってその方がいいってことわかってる。
でも、レンにそう言われると胸が痛いんだよ。
レンの側に、私は必要ないって言われてるみたいで。
「今でも、ユリアさんが好き?」
「…忘れられるはずがない。俺は、忘れちゃいけないんだ」
自分のせいで死なせてしまったのだから。
そう、自分に言い聞かせ、これからも生きていくの?
「俺は、もう誰も愛さない。誰も、好きになることはない」
胸に突き刺さる。
少しでも、レンは私を思ってくれているんじゃないかと勘違いしていた時があった。
大ばか者だ。
ソウシたちが言ってくれた言葉をうのみにして浮かれてた。
レンは、私なんて見てなかった。
騎士だから、私が姫だから。
「…そんなの、悲しいよ」
「お前が、嘆く必要なんてない」
「わかってる。でも、…そんな風に決めつけるのは、切ないよ」
それが私じゃなくてもいい。
レンが幸せになってくれれば。