プリンセス☆ロード
それでもレンは男たちに向かっていく。
殴りかかる男を交わしその腕を掴み投げ飛ばす。
次々に襲い掛かる男を同じように交わしながら戦っていく。
しかし、一人で大勢を相手にするのはやはり無理がある。
相手は人間だから、ある程度手加減をしないといけない。
相手が悪魔ならきっとこんなことはなかった。
一人の男がレンの身体を羽交い絞めにした。
抑えられたレンに他の男が拳で殴りつける。
「レン!!」
見ていられなくて向かおうとする私を浩太が抑えて止める。
「紗南!」
「放してっ!レンがっ!」
「ダメだ!あの人に言われたんだ。自分に何があっても、お前を放すなって」
「え……」
「絶対に、自分を助けようと飛び出そうとするから、押さえつけてでも放すなって」
レン…。
どうして…。
どうしてそうやって、私を守ってくれようとするの。
ここでは、姫なんて関係ないのに。
守ってもらう、理由なんてないのに。
「煩い、バカ女。…はぁ。俺様がこんな奴に負けるわけがないだろう」
レンがそう言うと、羽交い絞めにしている男をそのまま背負い投げのように投げ飛ばし、周りが怯んだ隙に数人の男を一気に打ちのめす。