プリンセス☆ロード
「…起きたか、紗南」
「…レン!よかった、レンも無事戻ってこれたんだね」
レンの姿を見てホッとする。
うまくいってよかった。
「紗南ちゃん…。本当に良かったの?」
「え…?」
「だって、自分の世界に戻れたんじゃないの?それなのに…」
「ミナト…」
ミナトがとても言い辛そうに告げる。
私の事を心配してくれてるのがわかる。
「ミナト、ありがとう。でも、自分で決めたことなの。あのままみんなとさよならなんて嫌だったから。それに、私みんなの役に立ちたいって思ったから。途中で投げ出したくなかったの」
「紗南ちゃん……」
「足手まといかもしれないけど、ここで救いの姫って呼ばれる理由があるなら、それが私にしかできないことなら力になりたい。だって、もう私出会ってしまったから。皆と関わってしまったから」
もう無関係だなんて思えない。
自分だけ平和な世界に逃げて幸せなんて思えない。
この世界のみんなも幸せであってほしいと願う。
だって、知ってしまったから。
この世界を。
皆を。
出会って、笑顔を交わしてしまったのだから。