プリンセス☆ロード




リュウにそれ以上何も聞くことができず、再び出発した私たち。
馬の上からちらっとリュウを覗き見る。





いつもはミナトとおちゃらけながら進んでいるのに、心ここに在らずと言った感じで険しい表情のリュウ。







「どうした」

「…あ、ううん…」






前でごそごそしているのが気になったのかレンが尋ねる。
私は、そう言って前を向く。








「…リュウの様子が変だな、と思って」

「……ああ」






レンはそう言うと一度リュウを視界に入れる。
レンだって、気づいているはず。
ううん、ソウシだってミナトだって。

ミナトはいつも無駄にリュウに絡んでいくのに、今は全く触れようとしない。
そんなみんなの様子もおかしかった。







「…キールはリュウの故郷だ」

「え…っ?」






レンは意を決したようにそう告げる。
思わぬ言葉に息をのむ。



リュウの、故郷?






それって……。






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