プリンセス☆ロード
「…さっきの人って…」
私たちは、村のはずれの開けた場所にいた。
リュウはさっきの女の人と少し離れた場所で二人で話をしている。
気になって聞こうとしたけど、聞いていいのかわからなくて口ごもる。
「我々も知らないんですよ。ここがリュウの故郷というのは知っているんですけど、ここでのリュウの交友関係とか、どんな暮らしをしていたのかまでは…」
「リュウ、そういうの話したがらないしね…」
「そっか…」
騎士のみんなもよく知らないらしく、首をかしげる。
リュウの自分の話って、確かにあまり聞いたことはないかも。
いつも、聞き役に回ってる感じ。
「でも、さっきの人、なんだかただの友だちみたいには見えなかった」
「そうだとしても、俺たちには関係ないことだ」
「…そうだけど…」
「リュウが自分で話してくれるのを待ちましょう?」
「うん…」
そうだよね…。
“関係ない”って言い方は悪いけど、レンもリュウの事を考えて言ってるのはわかる。
聞かれたくないこととか、探られたくないことってあるよね。
レンだって、ユリアさんの事私たちに黙ってたわけだし…。
レンも、本当は探られたくなかったのかな…。
知られたくなかったのかな…。
そう思うと胸が痛い。