プリンセス☆ロード
「みんな」
なんとなく静まり返っていた時、戻ってきたリュウが私たちに声をかけた。
「あ、リュウ。おかえり、もういいの?」
「ああ。…カノンから、この村の話を聞けたから、カノンの家がすぐ近くにあるらしいからそこに行こう」
「こんな大勢で押しかけていいんですか?」
「カノンの方から申し出があった」
リュウにそう言われ私たちは言われるままに向かうことにした。
リュウは、真顔のままで私たちを先導していく。
心情の見えない表情に、少し不安に思う。
「長旅お疲れ様です…」
「大勢で押しかけてしまってすいません」
「いえ、狭い場所ですが…」
平屋建てのカノンさんの家は私たち全員入ればそれでいっぱいになってしまった。
カノンさんはここで一人で暮らしているのだという。
「本当は、親戚のおばあちゃんと暮らしていたんですけど、昨年亡くなってしまったんです。それからは一人で…」
「そうだったんですね…」
少し悲しみを帯びた声に、なにも言えなくなる。
両親は、とか、そんなこと聞いてはいけないような気がした。