プリンセス☆ロード
「両親は、皆さんが調べられている昔、襲ってきた悪魔に殺されてしまったんです…」
「……っ!」
私の心を読んだかのようにカノンさんはそう告げた。
こみ上げてくる。
泣くなんて、失礼だと。
同情なんて、嬉しくないとわかってるのに。
「私のために、泣いてくれるんですね」
「ごめ…なさい…」
「どうして?嬉しいわ。初対面の私のために泣いてくれてるんでしょう?」
「…違うんです…そんなんじゃ…」
自分がどれだけ恵まれた世界に生きていたのか。
自分の悩みや悲しみが、とてもちっぽけに思えた。
「ありがとう」
カノンさんは笑ってそう言うと私の頭を優しくなでてくれる。
なんて優しい人なんだろう。
辛い境遇に負けず、こうして優しく在れるのはなぜだろう。
「カノン、俺に話してくれた話をもう一度聞かせてくれないか」
「ええ…」
リュウが話を変えるように告げると、カノンは頷いて姿勢を正した。
私は慌てて涙を拭い落ち着かせる。
「私の父はこの村の村長でした」
カノンは、そう切り出し、話し始めた。