プリンセス☆ロード
「大丈夫だ、安心しろ」
「うん…。ありがとう」
リュウが安心させるように私の肩を抱く。
私は頷きながら、しっかりしなければ、と心を奮い立たせる。
「ランプがこっちにあってよかった」
「あ…本当だ」
きっとこの明かりがなければここは真っ暗だろう。
それだけでも十分、安心できる。
「リュウ、…こんな時にあれだけど、聞きたいことがあるの」
「…ん?」
きっと、こんなことでもないと二人にはなかなかなれないだろうし。
「リュウは、どうして騎士になったの?」
うまい聞き方が出てこなくて、直球になってしまう。
「カノンから、話を聞いたんだろ?」
「え…あ…」
「紗南が風呂に行った後後を追うようにカノンが出ていったのに気付いた」
「そっか…。カノンさんも、リュウを心配してた。リュウがいなかった日々の事知りたがってたよ。私には答えられなかったけど…」
カノンさんのリュウへの思いが伝わってきた。
胸が痛いくらいに。
「ちゃんと、話すよ」
「…うん」
「俺は、本当にどうしようもない奴でさ。ケンカだけに自信があって、喧嘩っ早くて、悪いことを率先してやるような奴だったんだよ」
「聞いたよ。まったく想像つかなかったけど」
「別に、そうなったのに何か辛い過去があるとか、そんなんじゃないんだけど、強い男ってのを履き違えてたんだろうな」
リュウはそう言いながら笑った。