プリンセス☆ロード
「あ、あれは…」
「ん?村長、知り合いか?」
その団体を見て村長が声を震わせる。
「あ、あれは…ムーン王国の王様に仕えておる者たちだ」
「え…?」
お城の人たちがどうしてこんなところに?
少し身構えながら私たちは進んでいく。
その団体は、何と私たちの目の前で止まった。
「なに…?」
私たちに用というのか?
レンたちも、険しい顔をして動向を見ていた。
「ルネス王国の騎士の方々ですね」
「…そうだが、いったいどういう事だ?」
「国王がお待ちです。城へご案内いたします」
その中でも一番年上っぽい偉い人のような人物が馬の上から私たちに声かけた。
レンが怪訝そうにやり取りを行う。
リュウの話を思い出し、リュウの様子を伺うと険しい表情で睨みつけていた。
危険な時に助けてくれなかった国の王とその側近たち。
そんな人たちになんて会いたくなんてないだろう。
「我々は、城に向かうつもりはない」
「あなた方に拒否権はないはずです。一国の騎士と一国の王の意見、通るのはどちらかよくお分かりになっているはずですよ」
「……案内しろ」
他国の王とはいえ、位ははるかに上。
いくら嫌悪感を抱いていても、命令には背けない。
仕方なくその人たちについて行くことになってしまった。