プリンセス☆ロード
私たちは、結局、村で見つけた武器も無事死守することができ、来たままの状態で城を後にする。
でも、私たちの間に流れる空気はとても重苦しく、暗かった。
命を捨てる覚悟なんてない。
平和な世界に生きてきた私に、そんな覚悟そうそうできるはずない。
それでも、私にも守りたいと思える人たちができた。
守ってもらうだけじゃいやだ。
私だって、守りたい。
役に立ちたい。
そう思える人たちに出会えた。
「紗南。…すまなかった」
重苦しい空気の中リュウが口を開いた。
それは、謝罪の言葉。
「…え?なにが?」
「俺のために、嫌な思いさせた。…俺の過去を話したから…」
「王様にたてついたこと?」
私は振り向いてリュウを見る。
リュウは思いつめたような表情をしていた。
「私が腹が立ったから怒ったの。リュウのためとか、リュウのせいとか、そんなんじゃないよ」
「紗南…」
「私、あんな人が王様なんて許せない。あんな風に国民を見下すなんて…悔しい」
私が知ってる王様は、国民の事を想ってて、異世界から来た身元もわからない私にも優しくて。
いろんな葛藤を抱きながらも、懸命に生きていて、まっすぐな人たち。
「この国の王の件は、王もいろいろと思案している」
「え…」
「国民への態度だけではなく、いろいろと問題も多い」
「そうなんだ…」
いろんな国があって、いろんな王様がいて。
それは当然のことかもしれない。
これから先出会う王様も、向かう国も、そこにはそこの色があるんだろう。