プリンセス☆ロード




「紗南ちゃん…」

「ん?ミナト、なあに?」

「…さっき言ってたこと、本気?」





ミナトが意を決したように言う。
さっき言ってたこと?








「命を捨てる覚悟…の話」

「ああ…」





ずっと思いつめた顔をしていたと思ったらそのことを考えていたの?






「…命を捨てる覚悟って言ったらたぶん言い過ぎ。でも、その時自分に何かができて皆を守れるなら、きっと迷わず私はそうするだろうなって思う。その結果、命を落とすことになるかもしれないけど」






皆といるための覚悟。
ずっと思ってきた。
覚悟を決めないといけないって。
覚悟も決めないで、守ってなんて言えない。
そんな重荷、皆に背負わせれない。






「そんな覚悟、捨ててよ!」

「ミナト…?」

「やだよ!俺、それで俺たちが…この世界が救われたって、全然嬉しくない!」






今にも泣きだしそうな顔で。
どうしてそんな顔をするの?






「そんな覚悟いらないから!俺、ちゃんと守るから!強くなるから!だから…」

「ミナト…大丈夫だよ。私、そんな簡単に死んだりなんかしないよ」






不安になったんだろうか。
覚悟があるって聞いて、その時の事を思い描いてしまったりしたのだろうか。







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