プリンセス☆ロード
「全て終わったら、必ず会いに来る」
「うん…」
「それまで…待っていてほしい」
「待ってる。リュウが生きていて、元気だってわかったから。いくらでも待ってられるわ」
私たちは村を発つことに決め、リュウがカノンさんと別れのあいさつを交わしていた。
二人の間に流れる、甘い空気。
私たちは少し離れた場所で待っていた。
「カノンさんは片思いって言ってたけど、両思いだよね」
「…ああ」
「全部終わって、ここに来た時、リュウは告白するのかな」
「さあな。それは余計なお世話だろ」
「ふふっ」
人の恋路ってこんなにもわくわくするんだ。
私の恋はうまくいかないけれど、リュウとカノンさんにはうまくいってほしい。
だって、こんなにも相思相愛ってみてわかるんだもん。
「いいなぁ…」
「……」
私が二人を見てそう呟くのを、隣でレンがじっと見つめていたこと、私は気づかなかった。
その時レンが何を考えていたのか、そんなことは私は知る由もない。
「待たせたな」
「もういいの?」
「ああ」
リュウはここに来る前とは違って、とてもすがすがしい表情になっていた。
憑き物が取れたような、スッキリした顔。