プリンセス☆ロード





私は、いつもの通りレンの前に乗せられ馬に揺られていた。
それにもすっかり慣れ、景色を眺める余裕もできてきていた。





カノンさんの、幸せそうな顔を思い出す。




いつか見たあの写真を思い出した。
女の子の隣で笑うレン。
そのレンの表情に似ていた。
そのことに気づいたとき、胸がちくりと痛んだ。


レンは、どう思っただろう。
ユリアさんの事、思い出しただろうか。



埋められない距離。
レンが、私に向いてくれることなんて、きっとないんだろうな…。







「来るのを待っていたぞ!姫をよこせ!」







突如、騒がしくなり、一気に私たちは悪魔に囲まれてしまった。
馬の上では戦えないため、すぐに馬から降り戦闘態勢に。
レンは、いつもの通り、私をかばうように背中に隠した。
レンの大きな背中。
私はこの背中に守られてる。





「いつもいつも懲りずにやってきやがって!」

「何度来ても同じです!紗南さんは渡しませんよ!」






ソウシとリュウが剣を向けながら叫ぶ。
戦いの火ぶたは切って落とされた。





一気に向かってくる悪魔を確実に仕留めていく。
身体を翻しながら軽い身のこなしで悪魔との戦いをこなしていく。
私たちが優勢だ。





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