プリンセス☆ロード
「すまなかった…」
謝っても謝り足りない。
謝れば済む問題でもない。
レンは、そっと身体を起こし、紗南の顔を覗き込む。
まだ少し火照る身体。
優しく頭をなで眠る紗南を見つめた。
「ごめん」
そう言いながら、そっと落とした唇。
重なった唇から、紗南の熱が伝わる。
ずっと、こうしたかったのかもしれない。
自分の想いに蓋をして知らんぷりをしてきた。
紗南を愛しいと思うことすら、いけないことだと言い聞かせてきた。
なあ、ユリア。
こんな俺を許してくれるか?
紗南という存在がでかくなって、もう止められないんだ。
俺がよそ見をしていたら、こいつはどこかに行ってしまう気がする。
もう、失いたくない。
今度こそ、俺が守りたいんだ。
なあ、ユリア。
俺を、許してくれる?