プリンセス☆ロード




「レン…?」

「お前は…、この期に及んで俺たちの心配かよ!お前が死ぬところだったんだぞ!」





ぎゅうっと力強く抱きしめられ、レンの想いが伝わってくる。
たくさん心配かけたんだよね。
きっとレンの事だから、自分のせいでって自分を責めたよね。





「もう…自分を犠牲にして俺たちを守ろうなんて思うな…。頼むから…」

「レン…ごめんね…」





レンじゃないみたい。
弱々しくて、今にも壊れそう。




「…っ」




レンはそっと身体を放すと、部屋を飛び出していってしまった。





「レン…」

「動揺してるんですよ。目の前で紗南さんがあんな目にあって」

「…うん」

「もしかしたら、ユリアさんの事を思い出したのかもしれません」

「え…」





そっか。
ユリアさんと、私をまた重ねてしまったんだ。
レンは、ユリアさんの事守れなかったって思ってる。
だから、その時のことと重ねたの?

いつだって、レンはユリアさんを思ってるんだね。
わかってるけど、なんだか悔しいよ。





男の人に抱きしめられたのなんて、初めてだったのに…。







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