プリンセス☆ロード






「ウソ…」





思わず口をついて出た言葉と同時にポロポロと溢れだした涙。
レンは驚いた表情を見せ、私の涙を拭う。




「ウソじゃない」

「だって…レンは、ユリアさんが…」





そう言うとレンは小さく笑う。







「ユリアの事は、確かに今でも忘れられない。…忘れられるわけがない。俺の弱さが招いたことだからな…」

「…うん」

「だから、お前の事もずっと任務だからと言い聞かせてきた。それなのに、お前は…」

「え…?」

「ずかずかと人の心の中に入ってきた。いつしか、目を離せなくなってた…」







レンがそんな風に思ってくれてたなんて。
信じられなくて、目をパチクリさせる。
だって、ずっと片思いだって思ってた。
ユリアさんには敵わないって思っていたし。






「…レン。私もレンが好き」







そんな風に伝えられる日が来るなんて。
そんなこと、思ってもみなかった。







「ああ」







レンにそっと抱きしめられる。
その温もりが胸に染みた。







< 348 / 469 >

この作品をシェア

pagetop