プリンセス☆ロード
「ウソ…」
思わず口をついて出た言葉と同時にポロポロと溢れだした涙。
レンは驚いた表情を見せ、私の涙を拭う。
「ウソじゃない」
「だって…レンは、ユリアさんが…」
そう言うとレンは小さく笑う。
「ユリアの事は、確かに今でも忘れられない。…忘れられるわけがない。俺の弱さが招いたことだからな…」
「…うん」
「だから、お前の事もずっと任務だからと言い聞かせてきた。それなのに、お前は…」
「え…?」
「ずかずかと人の心の中に入ってきた。いつしか、目を離せなくなってた…」
レンがそんな風に思ってくれてたなんて。
信じられなくて、目をパチクリさせる。
だって、ずっと片思いだって思ってた。
ユリアさんには敵わないって思っていたし。
「…レン。私もレンが好き」
そんな風に伝えられる日が来るなんて。
そんなこと、思ってもみなかった。
「ああ」
レンにそっと抱きしめられる。
その温もりが胸に染みた。