プリンセス☆ロード
それから2週間。
私の回復を待って旅を再開させた。
相思相愛になった私たちだけど、前と特に変わりなく過ごしている。
あの日の事がまるで嘘みたいで。
それでも、少し変わったのはレンの口の悪さが軽減されたこと。
元々俺様気質はあるレンだけど、私への気持ちを誤魔化すためにさらに拍車をかけていたのだとレンに聞かされた時は驚いたけど。
それでも、他人に対しての俺様感は相変わらずだから、やっぱり性格なんだろうと思う。
「あまり、無理はしないで辛くなったら言ってくださいね」
「うん。ありがとう。でも、もう本当に平気なの」
皆が心配してくれるけど、心も体も清々しい今の私に怖いものはない。
なんてね。
しかし、ここから一つの山を越える少しハードな旅になるらしい。
だから、馬での移動はここまで。
ここからは徒歩での移動になる。
「行くぞ」
レンの号令で出発する私たち。
「紗南ちゃん、荷物持つよ?」
「ううん。大丈夫。自分のものは自分で持つよ。ありがとう」
ミナトの優しさにお礼を言う。
でも、甘えてばっかは嫌だから、自分の事は自分でしなくちゃ。
「そういえば最近、悪魔の襲撃が増えてねぇか?」
「…確かに。以前に比べて多いですね」
「なんかあんのかな?」
それが何を意味するのか。
それは私たちにはわからない。
「僕たちの旅が、あながち見当違いではないのかもしれませんね」
「ああ。何かの真相に近づいて行ってるのかもしれないな」
「真相…?」
「それが何かはわからないけどな」
レンはそう言うと、話は終わりとでもいうように歩く速度を少し早めた。
私たちは話をやめレンについて行く。