プリンセス☆ロード
日が少しずつ傾き始めた頃。
私たちは、片面が崖になっている足場の悪い道に差し掛かっていた。
「気をつけろ」
「うん」
レンが私を気遣いながら先を歩く。
道幅は十分にあるからそこまで怖くはないけれど、一歩間違えたらと思うと気が引き締まる。
「なに悠長に歩いてんだよ。待ちくたびれたっつーの」
突然の声に、緊張感が走る。
その声には聞き覚えがあったから。
「貴様!」
レンが私の前に立つ。
かばうように右手を広げ、私を背中に隠した。
私たちの目の前に現れたのは、ロイド。
「いい加減、その女をよこしな」
「紗南を渡すつもりはない。消えろ!」
「交渉は決裂ってわけか。なら、無理やり奪うしかねぇよな!」
そう言ってロイドが襲い掛かってくる。
私とレンの前にソウシたちが出てきて戦闘態勢に移る。
レンも片手に剣を構え、私をかばい守りの体制になる。
レンは守りに入っているとはいえ3対1。
それなのに、ロイドは引けを取らずソウシたちの攻撃をかわしている。
片側が崖という戦うには不利な状況。
それも見越してここで待ち構えていたんだろう。