プリンセス☆ロード
ロイドは一人のようだった。
他の悪魔を連れず、一人で来たのだろうか。
「少しはやるようになったようだな」
「そう何度もやられてたまるかよ!」
リュウが叫ぶ。
皆気持ちは一緒だった。
もう負けたくない。
あんな悔しい想いはこりごりだ、と。
それでも、思うように戦えない。
羽のあるロイドには何の脅威にもならない崖。
人間の私たちには戦いに支障をきたすものでしかなかった。
こんなところで戦ってたら、いくらみんなが強くなっていたからって不利だ。
それはみんなもわかっているはず。
どうにかしないと!
そう思うと、身体は勝手に動いてしまう。
それがいつもレンたちに心配をかけてしまう原因なんだけど。
私はロイドの不意をつき、レンの後ろから飛び出しロイドに体当たりをする。
体当たりしたのは、崖の方向。
うまくいけば…。
その私の思惑は以外にもうまくいく。
突然の事にロイドも対処しきれなかったようで私の身体と一緒に崖下に落ちていく。
「なっ!」
「紗南!!!!」
皆の叫び声を聞きながら、ロイドを道連れに落ちていく私の身体。